【第5話】予期せぬ妊活ジェラシーの罠|妊活乙女たちの華麗なる日々



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【人物相関図】

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第5話 ~予期せぬ妊活ジェラシーの罠~

プツン―。

有名人のおめでたなんて、なんでニュースにするのかしら!どうでもいいのよ、そんなこと!


あやめは湧き上がる怒りを抑えきれず、
吐き捨てるようにそうつぶやいた。

・・・マチ子。あれからなんの連絡もないけど、まさか、妊活を続けているんじゃ・・・。
万が一、妊娠してたら・・・。


あやめはマチ子からの妊娠報告を想像して身震いした。

嫌よ・・・絶対に嫌!
マチ子が先に妊娠するなんて、絶対に許さないわ・・・!


そろそろ出かけるよ。


あ、あおい・・・!


あやめははっと我に返り、葵の背中をいそいそを追いかけた。

葵、今日は早く帰れるのかしら?


・・・難しいな。


そんな・・・。今日はあの日だからって、前もって言っておいたじゃない・・・!


・・・。
すまないが、術後の経過が気になる患者がいるんだ。


でも、私ずっとこの日のために一生懸命治療を・・・。


忙しいんだ。


葵・・・。


―行ってきます。


葵!


あやめの呼びかけは、閉じられたドアの前で空しく響いた。

・・・葵・・・。


最近の葵は、今までにもまして仕事に傾倒していた。
家にもほとんど帰って来ずに、病院につめていた。

・・・こんなだったら、アメリカで暮らしていた時の方がよっぽどマシだわ。


あやめはこぼれ落ちそうになる涙を必死にこらえた。

病院―。


・・・今回も卵胞の育ちが悪いですねぇ・・・。


・・・そんな!先月も排卵は難しいって・・・。


今の排卵誘発剤では仁勝園さんには効果がイマイチなのかもしれません。


じゃあ、どうしたらいいんですか?!


落ち着いてください。
もう少し効きの強い治療に変えましょう。


効きの強い治療・・・?


ええ。
今までは飲み薬でしたが、今後はhMG-hCG療法という方法で注射になります。


・・・注射?!


どうかしましたか?


私・・・注射嫌いなんです。


好きな人なんていませんよ。
自己注射もありますが、どうしましょう?


自分で自分に注射を打つなんて、無理よ!!


では、毎日通っていただく事になりますが。


ま、毎日?!


はい。この注射は生理中から毎日続けるものなので。


・・・そんな・・・。


・・・止めますか?


・・・通うわよ。
毎日通います!!


あやめの言葉を受け、医師はオーダーをカルテに書き込んだ。

では、頑張りましょう。


そう言って微笑む医師の手には次の患者のカルテが握られていた―。

1ヵ月後―。

葵!
昨日ね、病院で診てもらったら、もうすぐ排卵するでしょうって言われたの!
卵胞の育ちがとても良くなったんですって!


・・・そうか。


本当よ!
待ちにまった排卵だわ!
ね、葵。今日は必ず早く帰ってきてね!


・・・ああ・・・。


本当!?約束よ!


葵を送り出した後も、あやめは嬉しくてたまらなかった。
ここ数ヶ月ずっとうまく行かなかった排卵―。
それがやっと起ころうとしているのだ。
しかも、葵も今日は早く帰ってくると言ってくれたのだ。

うふふ、今から新しいランジェリーを買いに行こうかしら♪・・・あら・・・?


その時、あやめは下腹部に違和感を感じた。

・・・排卵痛っていうものかしら?


あやめは嬉しさに気を奪われ、感じた違和感などすぐに忘れてしまった。

その日の夜―。


あら?


あやめは下腹部がぽっこりと腫れていることに気がついた。

やだ・・・。太った?


軽く押してみると、鈍い痛みが広がった。

んもう・・・。今日は大切な日なのに・・・。


入浴後、新しい下着を身に着けたあやめは上機嫌だった。
だが―。

いたた・・・。何?


ちょっとした違和感だったものが、今では痛みに変わっていた。
次第に強くなるその痛みに、上機嫌であったあやめもさすがにおかしいと感じ始めた。

病院に電話してみようかしら・・・?


電話に手を伸ばしかけた次の瞬間―。

いたたたたた・・・!!!!


急激な腹痛があやめを襲った。
思わずその場に倒れこむ。
体中から一気に汗が噴出した。

で、でんわ・・・。


ケータイに手を伸ばすが、ちょっとのところで届かない。
視界がぼやけ、意識が遠のくのが分かった。

ダ、ダメ・・・、救急車・・・。誰か・・・。た・・すけ・・て・・・。


すがるように空を泳いでいた手はその言葉を最後に、ぱったりとその力を失った―。

その頃―。


・・・そろそろ排卵日ね・・・。


優一から、「子供がほしい」という言葉を聞いたものの、それからも二人の間には、ずっと夫婦関係がなかった。
それは優一の会社が倒産して以来ずっと続いていた。

あやめのこともあるし・・・。
今回もスルーしちゃっていいかな・・・。


そろそろ寝るよ。


あ、優一さん・・・!・・・おやすみなさい。


・・・おやすみ。


そういうと、優一は隣の寝室に行き、襖を閉めた。
それを見届けると、マチ子はほっと胸をなでおろした。

そんなんじゃいつまで経っても子供はできませんよ~。


フクさん!


夫婦生活無しじゃ他に何を頑張っても、無駄ですねぇ~。


分かってます!!


マチ子?


はっとして振り返ると、優一が怪訝そうな顔をして、こっちを見ていた。

何をしているんだい?


あ、あの、その・・・き、基礎体温が、その・・・。


フクの事がバレたのではないかと慌てたマチ子はしどろもどろに説明した。
フクの姿はマチ子にしか見えないことなど、すっかり忘れていた。

基礎体温?


そういうと、優一はマチ子の手元を覗き込んだ。

それは?


え?
あぁ、これは基礎体温計で、毎朝体温を測定するものなの。
これを毎日つけると排卵日とか、妊娠したかどうかが分かるのよ!


動揺からか、マチ子はペラペラと聞かれてもいないことまで優一に説明をしていた。

排卵日・・・妊娠・・・。


あ、あの、えっと・・・。


・・・マチ子も子供が欲しい、ということなのか?


え?


・・・。


も、もちろん・・・。


嬉しいよ―。


優一はそう言うと、マチ子の肩に手を置いた。
そして、そっとマチ子の顔を覗き込んだ。

・・・マチ子―。


い、いやっ!!


・・・!


マチ子は優一の手を振り払った。
自分でもどうしてか分からない。
マチ子の体は小刻みに震えていた。

ち、違うのよ、優一さん・・・!私は・・・!


・・・驚かせてすまなかった。
今日はもう寝よう。


そう言うと、優一は寝室へと戻った。

どうして・・・私ったら・・どうして・・・。


優一を傷つけてしまった―。
そう思うと、マチ子の心は張り裂けそうに痛んだ。

ピーポーピーポー・・・

真夜中の街にこだまするサイレン。
その不穏な音色は、布団の中で眠れずに佇むマチ子の耳にも届いていた―。

~続く~
突然の腹痛に倒れたあやめ。
その原因とは一体・・・?
すれ違う2組の夫婦。
それぞれが辿りつく行き先とは・・・?

第6話「冷え取りは雨と温もりのシンパシー」に続く!

妊活ジェラシーはみんな感じている

妊活中、他の誰かの妊娠を素直に喜べない、それどころか悔しい、悲しい気持ちになることはないでしょうか。
それは決してあなただけではありません。
当サイトで隔週更新しているアンケートでも、多くのべび待ちさんが有名人のおめでた報告を複雑な気持ちで見ています。
詳しくはこちら
身近な友人・知人の妊娠だけではなく、
有名人のおめでた報告であっても、べび待ち中の方にとって、それは必ずしも喜ばしいものではありません。
多くのべび待ちさんが同じことで苦しみ、喜べない自分を責めてしまいます。
考え方は人それぞれなのかもしれませんが、一生懸命頑張っているからこそ、感じる気持ちではないでしょうか。
誰かの妊娠を喜べない自分を否定することなく、「頑張っている証拠」だとして、その気持ちをバネにしてみてはどうでしょう。

妊活中のストレスは即効解消が◎

マイナビニュースで特集された妊活中のストレス。
これによれば、妊活中にストレスを感じた女性は86.1%であるとしています。(詳細はこちら
多くの女性が妊活中にストレスを感じているという結果になりました。
ですが、できれば妊活中はストレスが少ない状態をキープしたいもの。
なぜなら、女性ホルモンはストレスにより容易にそのバランスを崩します。
ストレスが溜まると、生理が遅れる、無排卵になるという女性も実際とても多いのです。
ストレスは、不眠や無気力などの原因となり、
結果ホルモンの乱れや性欲の減退など、妊活にマイナスの影響を与える可能性大。
命を迎える準備というのはとても尊い仕事。だけど、頑張りすぎは何にとってもマイナスと肝に銘じて
リラックスを心がけるようにしましょう。
のんびりと構えることも、妊活の一環です。

今回は出番が少なかったフクです。
次回はもっと妊活のこと、たくさんお伝えしますよ~!


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